訪問診療時に活躍するポータブル心電計をご紹介します。前回ご紹介した、ポータブルエコー(超音波)>>と同様に持ち運びができるサイズです。

ポータブル心電計

不整脈や虚血性心疾患の確定などの診断時に使用します。また、自覚症状がない場合でも、心臓に異変がないかを調べるために心電計で検査をすることもあります。
心臓の筋肉が興奮する際に生じる電気的活動を、身体の表面においた電極で記録し、記録した内容はその場で印刷することができます。

<訪問診療で心電計を使う例>

  • 胸の痛みがある
  • 動悸がある など

「心臓の病気」と言ってもたくさんの種類があり、進行性のものや、様子を見ても良いものなどさまざまです。
例えば、不整脈の中にも進行性のものは、放っておくと、心房内に血栓が形成されやすくなってしまいます。血栓が脳血管に詰まる心原性脳塞栓の場合、重症化するケースが多く怖い病気の1つです。心電計を活用することで自覚症状のない段階から“隠れ心房細動”を見つけて予防をしていくことができます。

訪問診療を行う上で、常に心がけていることは「患者さんやご家族の不安」を取り除くこと。原因を解明するために、いつから異変を感じたのか、既往歴やお食事、普段の生活で気になることなども病気の解明につながりますのでお話を聞かせていただきます。何気ない会話の中から病気のヒントになることもあります。
訪問診療では患者さんが訴えている症状だけでなく、隠れた病気がないかという視点も常にもち、早期発見ができるよう、医療機器を活用しながら診療にあたりたいと思います。