新型コロナウイルスの感染者数が増えていますが、夏に注意が必要な感染症はコロナだけではありません。代表的なものとして、ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱、手足口病があり、これらは夏になると流行する、いわゆる「夏かぜ」とも言われる感染症です。

●ヘルパンギーナ
主要な病原体はA群コクサッキーウイルス。乳幼児がかかりやすい、夏かぜの代表格。せきをしたときのしぶきにより感染します。
症状は突然の高熱(38~39度)と同時にのどが痛む病気で、発熱は1~3日続き、食欲不振、全身のだるさ、頭痛などを起こします。

●咽頭結膜熱(プール熱)
原因はアデノウイルス。咽頭結膜熱は、咳やくしゃみなどの飛沫や、目やにや便なども感染源になります。プールを介して流行することが多いため、「プール熱」とも呼ばれています。
症状は38~39度の熱が3~4日続き、名前のとおり、のど(咽頭)が赤く腫れ、目(結膜)が充血し、のどのリンパ腺も腫れます。乳児の場合には下痢や嘔吐の症状が目立ち、目の症状が見られないこともあります。

●手足口病
原因はエンテロウイルス。4歳位までの幼児に感染することが多いといわれます。せきやくしゃみなどの飛沫感染のほか、便とともに排泄されたウイルスが口から入って感染することもあります。
症状としては病名のとおり、手のひらや足の裏(ときには甲にも)、口の中、おしりなどに米粒大の小さなもりあがった発疹が見られます(1週間程度で治ります)。37~38度の発熱が1~3日続くことがあります。

これらは主に子どもを中心に増える感染症ですが、子どもから大人へと感染が広がることがあり、大人は子どもよりも症状が重くでることがあります。

【感染予防対策】
・手洗いと手指消毒を徹底する
・人の多い場所ではマスクを着用する
・定期的に換気をする
・十分な睡眠・休息、体調が悪い時は休む
・バランスのよい食事・生活習慣を整える

記録的な暑さが続くなか、手洗いや必要な場所でのマスクの着用、室内換気が疎かになりがちです。上記でご紹介した以外にも、周囲に感染を広げる感染症は多くあります。今一度、感染対策のポイントを見直し、感染予防を心がけましょう。